あらゆる意味で、これは便利。けど、50年ほど前にはポピュラーなものではなかった。英語の授業時に、テキストブックに登場したハンバーグなるものが、「どんなものだか知っている人ーー?」と、客席、いや、生徒に向かってN先生が聞いた。手を挙げてキチッと答えられたのはさる女の子で、医学部教授の娘。彼女は以後少したってから車の免許をとって、高校まで乗って来たりもした。スポーツもバイオリンも、何かとよくできて、交換留学生制度が初めてできた頃か?サンノーゼ市に行ったりもしたけれど、医学部には進まなかったので親にはとても残念がられた。ついこないだの50年ほど前だけれど、医学部も大体は男の子向きの学部で、別の友達は医者になりたいというのを親に反対されて数学科に行った。今思えば、数学の方が男性らしい?これも偏見だけど。
鹿肉を街で食べる際に、ハンバーグでということが多いと思う。鹿肉としてのありがたみがないが、ミンチにして何が何だかわからなくしてしまおうということか。どこの部位も混ぜてミンチして冷凍保存すれば、やがて、街ではみんなが好きなハンバーグになるので無駄にならないだろうということもあるか。似たような訳もあり、我が家も保存用鹿肉ミンチが山ほどできた。ワインに漬けたローストやシチュウ、鹿肉のテリーヌやパテにした他にである。この後の数ヶ月は適当にハンバーグして、トマトピューレで煮て食べよう。
かくして、無駄なく1頭をほとんど食べ切れれば、別の意味での満足のおいしさもある。自分の好みとして言えば、鹿肉はおいしい。ソースと組み合わせる楽しみもありそうだし、時として、豚肉よりスッと口に入るとも言える。好きだ。鹿撃ち名人とずっと友達でいたい。
<鹿舌。どんなソースで食べるかな?>